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おすすめの使い方・楽しみ方、さらには生産者の方の想いまで、さまざまなコンテンツを発信していきます。

2021/07/23 12:00


Interview - 霧しな 大場和子 [鳥取県出身]



―大場さんは鳥取のご出身ということなんですけど、木曽に来られたきっかけと木曽の好きなところを教えてください。

きっかけは、主人が上松町の技術専門校に行ったのが1番のきっかけで、木曽の好きなところは、自然風景・原風景が残っているところですね。何よりも癒されます。



―木曽の人や食事なども含めて好きなところを教えてください。

人はとても温かいと思います。スレていないというと語弊があるかもしれませんが、本当に素直な方が多くて、なんでも親切に教えてくださいます。あと、木曽の人は食べることにちゃんと手間暇かけてらっしゃる人が多くて、生き方としてもそういう方が好きかなと思っています。

―木曽の食べ物で印象的・好きなものはありますか?

やはり1番に言われるのが「すんき」かなと思いますけれど、こちらに来て最初に食べた時はもう全然おいしさがわからなかったんですね。で、今20年住んでいますけれども、10年過ぎたあたりからなんとなく味がわかるようになってきて(笑)。そんな感じで、今は大好きです。



―すんきについて、木曽の外の方(まだ食べたことのない方)に向けて、おすすめする好きな食べ方はありますか?

そばに入れて食べていただくのが一番美味しいんじゃないかなと思っています。あとはお味噌汁とかもありますけど。(すんきによって)酸味が加わるので、すんきを入れる前と後で食べ比べて頂くのもいいですね。普通にかけそばで食べて、その後すんきを入れると、また違う世界がパッと広がります。それがたまりません。

食を通して感じる、地元の伝統「とうじそば」


―地元のご友人がいらっしゃった際などに、勧めたい木曽の食事は何かありますか?

鳥取は出雲そばというものがあってどちらかというとざるで食べることが多いんですけど、開田(木曽町にある開田高原)では温かいそばが主流で、その中でも「とうじそば」ですね。温かい鍋に一口ずつにしたお蕎麦を湯に通して食べるんですけど。それが手間暇かけた食べ方に通ずる部分があって大好きです。



―とうじそばの由来とは?

大昔の開田では、寒暖差が大きく、マイナス20℃というような大変厳しい環境の中で、(主食は)あわとひえ(日本古来の穀物)しかなかったと聞いております。その中で蕎麦は冠婚葬祭の特別な時にみんなで食すという文化が開田高原にはありました。それをみんなでとうじて食べるという食べ方は素晴らしいなと思います。

―鍋を囲むような感じですかね?

そうですね。

―とうじそばは個人的にもよく食べられるのでしょうか?

はい、食べますね。慣れてしまいうとすごく手軽に作れます。キノコとか山菜とかお肉など色々なものを入れて良くて、レパートリーが広く、うちでもよく作りますね。

―とうじそばの作り方を教えてください。

お汁は普通に作っていただいて、そこに山菜とかきのこ、ネギや油揚げなんかを入れていただいても旨みが増します。お子様がいるような家庭ではしゃぶしゃぶのお肉なんかを入れていただくのが良いです。コツとしては、おそばと一緒に食べますので、馴染むようにあまり大きな具材にはしないことです。

―とうじそばは「とうじかご」を使うそうですが、どのように用意すれば良いですか?

「とうじかご」は市販で手に入るもので十分です。竹で作っているものもあれば、この辺りでは櫟木(イチノキ)で作っているものも多いです。一度買ってしまえばずっと使えますし、趣があってとてもおすすめの食べ方です。



―とうじそばの食べ方を教えてください。

ご家庭で食べる場合は、カセットコンロと、土鍋でも鉄鍋でもいいので大きな鍋を用意していただきます。そこにお汁を入れて沸騰してきたら山菜とかキノコとかお好みでお肉とかお野菜といった具材を入れてください。具材はおそばと馴染むように小さめに切っていただくと食べやすいかと思います。蕎麦はで湯がいていただきます。湯がいていただいた蕎麦は一口ずつに盛り付けておいていただくと食べ易いかと思います。そしてとうじかごにお蕎麦を入れて、鍋でしゃぶしゃぶとしていただいて、取り上げる時に具も合わせて取っていただいて召し上がっていただきます。やはりこの所作に趣があって、楽しく、食も進みますので、一度やって頂ければと思います。



―とうじそばにすんきを入れてもいいのでしょうか?

はい、もちろんです!すんきを入れると酸味が加わって味の世界観がファーと代わりますので、まずは普通に食べて頂いて、「そろそろすんき入れてみようか!」という感じで味の違いを味わっていただけると楽しいかなと思います。

全国に届けたい「開田高原にある財産」


―木曽に訪れた際のおすすめの場所はありますか?

御嶽山をぜひ見ていっていただきたいなと思います。御嶽山は開田高原まで上がってきていただかないと綺麗に見えないというのがありまして。裾野からパーっと広がる御嶽山は、私の他県の友人を連れて行くと「人生観が変わった!」と言われるくらい感動されることもあります。ぜひみなさんにもその瞬間を味わっていただきたいなと思います。



―最後に、霧しなさんについて教えてください。

株式会社霧しなは、本当に美味しい信州蕎麦を全国の皆様にお届けしたいという気持ちで、開田高原に出会って、創業を始めた会社です。この最初の志は30年経つ現在も全く変わっていません。やはり皆さんに喜んでいただけるお蕎麦を提供していきたいと考えています。



そして開田高原にある財産として、開田早生(かいだわせ)という在来種のおそばがございます。こちらは開田にしかない品種のおそばになりまして、寒暖差の厳しい環境を超えてできるので、小粒でも味がぎゅっと濃縮されていて甘いんですね。このそばをぜひ一度皆様にも食べて頂きたいと思っております。標高1,200mで作っており、「天空のそば工場」ということでやらせて頂いておりますので、ぜひ皆さん、開田高原の景色とともにお越し頂ければと思います。今年は新しく種まきからはじめる蕎麦の教室も始めますので、そのような機会で皆様にお会いできたらと思っております。

木曽にお越しの際にはぜひ開田高原まで登って頂いて素晴らしい御嶽山の景色をご覧になって頂ければと願っております。


Interview & Videography by 池田昌広
Edit by KISO ORIGINAL


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Shop Information
そば処 信州霧しな
Add:長野県木曽郡木曽町開田高原末川1898-1
Tel:0264-42-3151
お食事 平日午前9時30分~夕方4時 土日祭日午前9時30分~夕方5時頃
お土産 午前9時~夕方5時頃
定休日/木曜日
※夏期のとうじそばはご予約にて承っております。

天空の蕎麦工房 霧しな
全国発送承っております。

霧しなオンラインショップ 

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