2022/07/21 17:23
山々に囲まれた「たにぞこ」に位置する木曽。そんな環境だからこそ、ここには独自の文化が形成され、衣食住さまざまな形で現代にも継承されています。そのような木曽独自の文化を気軽に体感できるのが「お祭り」。今回は特におすすめしたいお祭りやイベントをご紹介。中には「奇祭」と呼ばれ、全国的にかなり珍しいお祭りも。木曽の旅行を計画している方はぜひチェックしてみてください。
*コロナ禍における開催の有無は各自ご確認ください
| 春の蔵開き(4月)
「発酵食品のまち」を掲げる木曽町の酒蔵「七笑酒造」「中善酒造店」と、みそ蔵「小池糀店」が連携する蔵開きイベント。3つの蔵を巡りながら、木曽の発酵文化を楽しむことのできます。また当日は、パン屋さんや漆器店など木曽地域を中心に様々な事業者さんが出店し、木曽の文化に身近に触れることができます。
| 天下の奇祭 みこしまくり(7月22日・23日)
毎年7月22日・23日に行われる水無神社例大祭、通称「みこしまくり」は、御輿を落とし、まくって(転がして)最後には壊してしまうという荒々しいお祭り。全国的にも珍しく、『天下の奇祭』といわれています。重さ約100貫(375kg)ともいわれる神輿を、枠持(わくもち)と呼ばれる男たちが担ぎ、「ソウスケ!コウスケ!」の掛け声とともに町内を練り歩きます。クライマックスの「まくり」は23日夕方から行われ、縦に横にと豪快にまくられ、毎年多くの人が見物に訪れます。まくられて壊れた神輿の破片を拾って家に祀ると災難除けになると言われています。
~~ 祭りの由来 ~~
昔、木曽福島に、惣助(そうすけ)・幸助(こうすけ)という信仰心の厚い兄弟がいた。この二人が飛騨一ノ宮にある「水無神社」へ大工仕事に行った際に戦乱が起き、御神体を守ろうとした二人は、御神体を神輿に入れて、一路木曽へ運び出そうとした。
ところがその道は大変険しい山道で、信濃との国境で、とうとう追手に迫られ、神輿の争奪戦が始まった。兄弟は互いの名を呼びあい励ましあいながら、必死に神輿を守ろうとしているうちに、神輿は地面に落ちてしまった。幸い峠の下り坂だったため、二人は神輿を転がしながら追手を逃れ、木曽福島宿までたどり着いた。
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つまり水無神社に祭られている神様は、飛騨一ノ宮からお迎えした神様だったのです。氏子たちは惣助・幸助の苦労と偉業をしのび、この故事にならって祭りを始め、神輿をまくるようになったと言われています。
▷詳細
-開催場所 :木曽町福島
-主催 :みこしまくり実行委員会
-問い合わせ :木曽おんたけ観光局(TEL:0264-22-4000)
| 英雄・木曽義仲公を偲ぶ らっぽしょ(木曽義仲旗挙げまつり)(8月)
「らっぽしょ」は、毎年お盆に古くから行われている、木曽義仲と巴御前を供養するお祭りです。2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でも登場した、木曽を代表する2名です。山吹山に火文字で「木」の字を描いた後、そこから松明をもって下り、木曽義仲のお墓がある徳音寺にお参りをします。毎年、木曽義仲、巴御前などの格好をした武者行列が練り歩く「木曽義仲旗挙げまつり」の中で行われ、「木」の火文字が夏の風物詩になっています。お祭りでは巴太鼓や花火、出店などもあります。
▷詳細
-開催場所 :木曽町日義 義仲館周辺
-主催 :木曽義仲旗揚げまつリ実行委員会
-問い合わせ :木曽おんたけ観光局(TEL:0264-22-4000)
| 木曽の手仕事市(9月)
全国から大勢の工芸作家さんが集まる、木曽地域最大のクラフトフェアで、最大の特徴は、町全体が会場になることです。空き家や昔ながらの蔵など、街中あちこちにお店が出現するため、お店を見て回るうちに木曽福島観光もできてしまいます。町内の各所に案内所が設置され、スタッフが案内してくれるため、気軽に楽しむことができます。木工・漆・革・布・陶器・石・金属・ガラスなど、個性豊かなアイテムで欲しくなるものばかりです。
▷詳細
-開催場所 :木曽町中心市街地
*駐車場から主要な会場までを周遊する無料のシャトルバスも運行
-主催 :木曽の手仕事市実行委員会
-問い合わせ :まちづくり木曽福島(TEL:0264-22-2766)
| 雪灯りの散歩路(2月)
地域住民が手作りする約5,000個もの氷のキャンドルが、八沢や上町エリアのほか町内の各所を彩るイルミネーションイベントです。古い街並みが幻想的な明かりに照らされる光景は情緒たっぷり。アイスキャンドルのほかにも、趣向を凝らした雪像なども並び、寒さも忘れて多くの方が見物に訪れます。八沢のイベント会場では屋台の出店があったり、イベントに合わせて、冬の名物「すんき汁」等の特別メニューを提供してくれる飲食店もあります。
▷詳細
-開催場所 :木曽町福島各所(八沢区・上の段区のみ)
-主催 :信州木曽ふくしま雪灯りの散歩路実行委員会
-問い合わせ :まちづくり木曽福島(TEL:0264-22-2766)
Edit by KISO ORIGINAL
写真記事協力 : 七笑酒造 / 中善酒造店 / 小池麹店 / みこしまくり実行委員会 / 木曽義仲旗揚げまつリ実行委員会 / 木曽の手仕事市実行委員会 / 信州木曽ふくしま雪灯りの散歩路実行委員会 / 木曽おんたけ観光局